移動平均線(インジケーター)の説明・解説

移動平均線_アイキャッチ

FXを行っていく上で重要となってくるのが、過去の為替レートの値動きが現れているチャートから予測を行う「チャート分析」です。

チャートをただ眺めるのではなく、しっかりと分析するためのツールとして用いられやすい「移動平均線」はチャート分析の中でもかなり有効な手段となっています。

この記事内では「移動平均線(インジケーター)」について、以下の内容をご紹介していきます。

  • 移動平均線とは
  • 移動平均線の見方
  • 移動平均線の使い方
  • 移動平均線の注意点

移動平均線がどういったものかを始め使い方や注意点など、隅々までご紹介いたしますのでこの記事でしっかりと勉強していきましょう。

移動平均線とは

移動平均線1

移動平均線はFXにおいって重要なチャート分析の一種で、ジグザグになっているチャートを平均的な線にしてその動きを表している線です。

これによって相場の過去の動きをよりわかりやすく見えると共に、その通貨のある程度の動きを予想しやすくすることが可能です。

この移動平均線は短期・中期・長期と期間別で見えることができ、これらを組合せてチャートの動きを見ることで、より今後のチャート変動を予測しやすくなります。

移動平均線の見方

移動平均線2

移動平均線の見方そのものは単純で、上向きになっているのであればトレンドが上昇しており、下向きになっているならトレンドが下降していることになります。

角度も意味があり、角度が大きければそれだけ勢いがあり逆に小さければ緩やかに変動していることがわかります。

チャートが一時的に停滞しているところを「ローソク足」と呼び、ローソク足と移動平均線が絡んでいるところを「レンジ相場」と呼びます。

このローソク足の位置関係からどちらに上下しているかで、トレンドの上昇・下降がわかります。

乖離率

チャートにあわせてできあがる移動平均線を見てみると、価格が近くに寄っていることもあれば反対に離れていってる場合もあるのがわかります。

このような実際のチャート価格と移動平均線がどれぐらい離れているかを示した指標を「乖離率」と呼びます。

この乖離率が大きく+側へといっている場合は買われすぎなので売りのサインとなり、反対の-側へと大きくいっている場合は売られすぎなので買いのサインとなっています。

移動平均線の使い方

移動平均線3

チャート分析の手法の1つである移動平均線を使う場合、短期線・中期線・長期線の3種類の期間を設定して使います。

特に短期線と長期線の2種類の線を組合せた使い方をすることが多いですね。

中期線までの3種類の線を組合せて使う方法はあまり見られませんが、場合によっては中期線まで含めて使うこともあります。

ここでは以下3種類の使い方をご紹介いたします。

  • ゴールデンクロス
  • デッドクロス
  • グランビルの法則

ゴールデンクロスとデッドクロスは定番の使い方となっており、グランビルの法則は更に応用した使い方となります。

ゴールデンクロス

長期線に対して短期線が下側から上側に突き抜ける動きをしている場合、これから価格が上昇していく「ゴールデンクロス」と呼ばれる買いのサインとなります。

例えば100日で引いた長期線に対して、20日で引いた短期線が日数経過と共に下から上に突き抜けるような動きをしていると、それがゴールデンクロスとなります。

必ずしも上昇するわけではなく下降する場合もありますが、大体の場合ゴールデンクロスが起きるとそこから暫く上昇する動きが多いですね。

デッドクロス

ゴールデンクロスとは逆に長期線に対して短期線が上側から下側に突き抜ける動きをしている場合、こちらは「デッドクロス」と呼ばれる売りのサインとなります。

例えば20日で引いた短期線が下降の動きをして、100日で引いた長期線を日数経過と共に上から下に突き抜けるような動きをしていると、それがデッドクロスになります。

こちらも必ず下降するわけではなく上昇する場合もありますが、大体の場合はデッドクロスが起きるとそこから暫く下降する動きが多いですね。

グランビルの法則

移動平均線の傾き・価格との位置などの要素から売り買いのサインをある程度読み取る理論を、発見したアメリカのアナリストであるグランビル氏の名前をとって、「グランビルの法則」と呼びます。

グランビルの法則では、以下のような買いのサイン4パターンと売りのサイン4パターンの8パターンから、売買のサインを読み取っていきます。

買いのサイン

  1. 上昇or横這いになっている移動平均線に対して価格が下側から上側へ突き抜けている
  2. 上昇している移動平均線に対して価格が一定時期下に突き抜け後、再び上に突き抜けている
  3. 価格が下落して上昇している移動平均線付近まできたものの、移動平均線を下に突き抜けずに再び上がった
  4. 価格が下落している移動平均線に対して価格の乖離が大幅に下落した

売りのサイン

  1. 上昇or横這いになっている移動平均線に対して価格が上側から下側へ突き抜けている
  2. 下降している移動平均線に対して価格が一定期間上に突き抜けた
  3. 価格が上昇して下降している移動平均線付近まできたものの、移動平均線を上に突き抜けず再び下がった
  4. 価格が上昇している移動平均線に対して価格の乖離が大幅に上昇した

8個のパターンが必ずしも上記の順番で現れるパターンは少ないですし、全通り必ず出現するとは限らないです。

どのパターンに当てはまっているかをしっかりと見極めることができれば、売買の見極めがよりやりやすくなりますね。

移動平均線を利用する場合に注意すること

移動平均線4

相場の現状を把握するのに移動平均線は使いやすいのですが、相場の予想を確実にできるわけではなく誤サインが出てくる「ダマシ」と呼ばれるパターンも存在します。

特に「ゴールデンクロス」や「デッドクロス」という広く認知されているパターンが出た際、トレーダーがあえて動いて「ダマシ」を起こして利益を得ようとすることが多いです。

そのため、ゴールデンクロスやデッドクロスに合わせて取引を行っても、利益どころか損失が出てしまうパターンがあります。

このようなダマシを回避するために移動平均線だけではなく他のテクニカル指標と合同で利用したり、ファンダメンタルズ分析を組合せ様々な情報から判断していくことが大切です。

最後に

移動平均線5

今回はチャート分析の手法の1つとなる「移動平均線」に関して、どういったものかを始め見方や使い方・注意点をご紹介しました。

移動平均線はペア通貨ごとの相場状態を把握するものとして、過去のチャートから分析しやすいものになっています。

特に短期線と長期線を用いた使い方で、過去にどういった動きをしているのか把握できます。

移動平均線は過去の動きを読み解くのには使いやすいのですが、広く認知された利用方法を逆利用してトレーダーが「ダマシ」を起こしてくることも少なくないです。

紹介した移動平均線を含めた様々なテクニカル指標や分析方法と組合せて、情報を集めていくことがFXを成功させていくことでより大切です。

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